NHKスペシャル11月23日放送【
立花隆がんの謎に挑む】の詳細情報です。
NHKスペシャル11月23日放送は【
立花隆がんの謎に挑む】がテーマでしたが、
ジャーナリストの
立花隆氏は、一昨年、
膀胱がん(ぼうこうがん)の手術を受けました。
NHKでは、
立花隆氏の
膀胱がん(ぼうこうがん)の手術の様子や、その後の治療の
過程を長期に渡って映像に記録してきましたが、その中で、
立花隆氏は「人類はなぜ、
がんという病を克服できないのか?」という本質的な疑問に向き合い始めました。
明らかになってきたのは、
がんという病が、生命誕生の謎と深く結びついているという
神秘的な事実です。例えば、
がんの原因とされている「
がん遺伝子」は、同時に、生命の
誕生から成長に至るまでに不可欠な遺伝子でもあることがわかってきています。
さらに、
がん細胞は生命40億年の進化の果てに得た様々な細胞の仕組みを利用して、
増殖し転移することも明らかになりつつあります。
がんは、小さなほ乳類から恐竜まで、あらゆる生物に見つかっていることから、実は
がんは、
私たちが多細胞生物として生まれたことで決定づけられた宿命なのではないか?だとすれば、
私たち人類は、
がんとどのように向き合えばいいのか?今回の
NHKスペシャルでは、
ジャーナリストとして、そして一人の
がん患者として、人類最大の病、
がんの謎に挑む
立花氏の思索の旅を追いながら、私たちと
がんとの新たな向き合い方を探りました。
世界の
がん患者は年間800万人に上りますが、医学が進歩した現在でも、
がん細胞と
正常細胞の違いは病理医が経験で判断せざるをえない状況にあります。
がん研究の世界的権威である、マサチューセッツ工科大学のロバート・ワインバーグ教授
の話では、最近40年間で
がんの原因はわかってきたが、
がんの治療法は進歩しておらず、
人間が生きていること自体が
がんを生む(遺伝子のコピーミスが起こる)とのことです。
人間の体内には無数の
がん遺伝子(RAS)があり、細胞を分裂・増殖させていますが、
がん遺伝子(RAS)が暴走することで
がんは発生します。
最新の抗
がん剤(分子標的薬)は当初こそ体内の信号経路(パスウエー)の異常信号を
抑えますが、
がん細胞が遺伝子を変化させるため、やがて分子標的薬は効かなくなります。
アルバート・アインスタイン医科大学のジェフリー・ポラード博士の話では、
外部の菌を食べてくれる正常細胞であるはずのマクロファージ(免疫細胞)が
がんの進行
を促進する働きをすることから、
がん細胞とは正常細胞と異常細胞の両方を組織内に含む、
生命そのものであるとしています。※抗
がん剤の副作用は正常細胞を殺してしまうため。
また、
がん幹細胞説を唱える、スタンフォード大学のマイケル・クラーク教授の話では、
がん幹細胞(
がんを生み出す根源となる細胞)は正常な幹細胞と似ており、抗
がん剤は、
子孫の
がん細胞を殺すことはできるが、
がん幹細胞を殺すことはできず、下手に攻撃すれば、
生命そのものを攻撃することになりかねない。
がんの治療が難しい理由は、
がん細胞が正常な
細胞の仕組みを使っていることが分かってきたからであるとしています。
iPS細胞研究の京都大学の山中伸弥教授はiPS細胞4つのうち、2つは
がん遺伝子を
含んでおり、iPS細胞ができるのと
がん細胞ができるのは紙一重、人間が進化の過程で
選択したのが
がん細胞なのではないか?としています。
番組終盤では、鳥取市で野の花診療所(19床)を開院、
がん患者の緩和(ホスピス)ケアを
行っている徳永進医師が紹介されましたが、「死は日常のそばにある」「人間は死の直前まで
笑うことができる」「人にはそれぞれ違う死の形がある」と語りました。
今回の
NHKスペシャルのまとめとして、
立花隆氏は、
がんというものは生命そのものがはらんでおり、一つの避けられない運命だ。
だから、
がんとどこかで折り合いをつけなければならない。僕の場合、QOLを下げずに
しっかり生きることだ。徳永さんの取材を通じて学んだことは、人間は誰でも死ぬ力を
持っているということだ。ちょっと言い過ぎかもしれない。死ぬまで生きる力を持って
いると言った方がいいかもしれない。そういう単純なことに気づき、死ぬまでしっかり
生きることが大切なのではないか、と結びました。
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